射撃競技コーチ 中重様 グリップ複製支援事例
リバースエンジニアリングで「理想の形状」を再現

理想の射撃用グリップを再現! 高精度スキャン×3Dプリントで、まったく同じフィット感を実現したリバースエンジニアリング事例です

中重様オリジナルグリップ(左)と再現品(右)の比較。形状・フィット感を高精度で再現

ピストル射撃コーチ 中重勝様
(元オリンピック代表)

導入の背景
最もフィットする射撃グリップの正確な複製方法を探していました。

導入の決め手
丁寧な対応と、強度の出る3Dプリンター(SLS方式)が決め手でした。

導入後の効果
全く同じ形のグリップが再現でき、また質感・塗装もよくて大満足です。

導入の背景
自身がベストな状態で使っていた射撃のグリップを、正確に複製したかったのですが、市販品へのパテ盛り加工等では再現できずに困っていました。

射撃という競技は、「クレー射撃」と「ライフル射撃」にわかれます。
クレー射撃は、空中に放出された皿状の標的(クレー・ピジョン)を、散弾銃で撃つ競技。
一方のライフル射撃は、静止した標的に対して、単発で弾を撃ち込む競技です。弾が飛び出す部分には「ライフリング」という溝が刻まれていて、これによって弾が回転しながら飛ぶ構造になっています。

ライフル射撃の中には、「長い銃:ライフル」を使う競技と、「短い銃:ピストル」を使う競技があり、私がやっているのはピストル射撃の方です。
ピストル射撃はライフル射撃と違って、片手で銃を支えて撃ちます。つまり、銃と選手との唯一の接点はグリップなんですね。

このグリップが手にフィットしていないと、競技力が発揮できません。選手はみな、市販品にパテを盛ったり削ったりして、自分の手に合うように調整していきますが、そのような手作業で全く同じものを複製するのは不可能なのです。

今回お願いしたのは、自分自身が「これが一番合っている」と感じているベストな形状のグリップを、できるだけ忠実に再現したかったからです。このグリップをスポーツ用エアガンに装着することで、後進の選手に自分の感覚を伝える手段にもなると思ったんですね。

導入の決め手
問い合わせ時の丁寧な対応に加え、グリップ複製に適した3Dプリンター(強度の出るSLS方式)を保有していたことが依頼の決め手になりました。

最初に御社のことを知ったのは、「3Dプリンター」で検索したときだったと思います。

WEBサイトの印象も良かったので、問い合わせをしてみようと思いました。問い合わせ後の電話対応も非常に丁寧で、不明点にもしっかり説明いただき、安心して任せられると感じました。

ちょうど新しいタイプの3Dプリンター(粉末焼結積層・SLS方式:実用レベルの強度が出せる3Dプリンター)を導入され、事例を必要とされているということでした。PR協力を条件に、柔軟に対応していただけるとの提案を受け、それならお願いしようと決めました。

3Dスキャナでグリップ形状を高精度スキャンする様子

導入の効果
「全く同じ形での再現」という最初の条件通り。表面の質感・塗装も含めて、大満足の仕上がりになりました。

SLS方式3Dプリンターで造形したグリップを取り出している様子

今回つくっていただいたグリップ、本当に満足しています。
「まったく同じものが欲しい」というのが最初の条件だったんですが、それがちゃんと形になった。

以前、シリコンで型を取って自作したこともありましたが、どうしても再現性が低く、変形やズレが避けられなかったんです。その点、今回のように3Dでスキャンして造形してもらうと、精度がまったく違う。

造形方式のSLS(粉末焼結積層)も、自分にはすごく合っていました。素材の表面がザラッとしていて、それがちょうど良い滑り止めになるんですよね。

塗装も、本当にきれいに仕上げてもらって、正直びっくりしました。

さらに、軽さもちょうどよくて。今回は肉厚な部分を空洞にしてもらったことで、重量の調整がしやすくなっていたんです。重さは選手によって好みが違う部分なので、ここが調整できるのは大きなメリットです。

強度もしっかりしていて、安心して使えます。

今後期待すること
選手の体にフィットした道具は、競技力に直結します。今回のように「まったく同じ形状を再現できる」技術には、大きな価値を感じました。

ピストルのグリップに限らず、例えば障害者スポーツでは競技ごとに特有の用具が必要になることが多いんです。たとえば車椅子の使い方や、競技用の椅子など、標準的な器具では代用できない場面が多くあります。

そうした中で、今回のように「まったく同じ形状を再現できる」というのは非常にありがたい。選手にとってフィット感のある道具というのは、競技力に直結しますからね。

また、今回は磨きや塗装で非常に丁寧に仕上げていただいたものの、実用目的であれば、多少仕上げに粗さがあっても構わないので、もう少し簡易な仕様でお願いできればとも思っています。そうすればコストも抑えられますし、より多くの選手にとって導入しやすい形になるのではと期待しています。

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