接着とは、接着剤などの外部物質を介して、2つ以上の部材を表面で結合させる接合方法です。異なる材料同士でも、同じ材料同士でも適用でき、化学的・物理的・機械的な相互作用によって強固な結合が形成されます。

接着は、以下の3つの要因が複合的に働くことで成立します。
化学的結合 接着剤と材料の分子が反応し、共有結合や水素結合などを形成します。
物理的結合 分子間に働く引力(ファン・デル・ワールス力)により、接着剤と材料が互いに引き合います。
機械的結合 接着剤が材料表面の微細な凹凸に入り込み、硬化後に物理的な「かぎ爪」のように作用します(アンカー効果)。
使用環境や求められる性能、対象素材に応じて、適切な接着剤を選定することが重要です。
接着と並んでよく使用される接合方法に「溶着」があります。溶着は、熱や溶剤によって材料そのものを一時的に溶かし、冷却・硬化によって一体化させる技術です。両者の違いは以下の通りです。
項目 | 接着 | 溶着 |
|---|---|---|
接合方法 | 接着剤を使って結合 | 材料を溶かして結合 |
対象材料 | 異種材料も接合可能 | 基本的に同種の熱可塑性樹脂 |
仕上がり | 接着剤の層が残る | 接合部が一体化する |
強度 | 接着剤の性能に依存 | 材料本来の強度に近い値が得られる |
製品の用途や設計要件、使用環境などを考慮し、それぞれの特性に応じた接合方法を選択することが重要です。
接着作業においては、材料の取り扱いや作業環境が接合の品質に大きく影響します。
以下の基本的なポイントを押さえることで、より安定した接着強度が得られます。
表面処理の徹底
接着面に油分やホコリが残っていると、接着剤の密着性が大きく低下します。
脱脂や洗浄によって表面を清潔な状態に整えることが、強固な接合の第一歩です。
適切な固定
接着剤の硬化中に部材が動くと、接着層が乱れ、強度が不安定になります。
クランプや重しなどで静止状態を保つことで、安定した硬化と均一な接着が実現します。

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外観の美しさが重視されるデザインモデルでは、接着面を目立たせない仕上がりを追求しつつ、必要な強度を確保します。
意匠性と構造性のバランスをとった接合処理が求められます。
実働を想定したワーキングモデルでは、接合部に対して機能的な要求がかかります。たとえば、水漏れ防止や衝撃への耐性など、使用条件に応じた接着仕様で試作を行います。
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