液晶ポリマー（LCP: Liquid Crystal Polymer）とは、分子が液晶状態で配向した特殊なスーパーエンジニアリングプラスチックです。高い耐熱性・寸法安定性・電気特性を備え、特に電子部品や精密機構部品の試作・量産に広く用いられています。

（画像はイメージ図です）

試作では、こんなシーンで液晶ポリマーが使われます。

• 高温環境でも寸法安定性が必要な部品を試作したいとき
• 精密で微細な部品を高精度に成形したいとき
• 電子部品やコネクタなどで高い絶縁性が求められるとき
• 薄肉かつ複雑形状の成形品を評価したいとき

高耐熱性 連続使用温度250℃前後でも安定した性能を発揮します。高温環境での使用に最適です。

寸法安定性 吸水率が極めて低く、寸法変化が少ない特性があります。精密部品の製作に適しています。

高強度・高弾性率 分子配向により剛性が高く、機械的特性に優れています。

電気特性 高周波領域でも優れた絶縁性を発揮します。電子部品に最適な特性です。

流動性 射出成形で微細かつ薄肉形状に対応可能です。複雑な精密部品の製作が可能です。

射出成形 微細精密部品の量産試作に最適です。薄肉・複雑形状の部品製作に適しています。

フィルム・繊維加工 特殊用途向けに展開されます。電子機器用フィルムなどに使用されます。

• コネクタ・ソケット：電子機器や半導体部品に多用
• 薄肉精密部品：携帯機器・精密機構部品
• 自動車電装部品：耐熱性・寸法安定性を活かす用途
• 高周波部品：アンテナ、通信デバイス

スーパーエンプラ: PEEKやPPSと並ぶ高性能樹脂群。LCPは特に流動性と精密成形性に優れる
精密成形: 微細構造や薄肉形状を成形する技術。LCPの流動性が有効
分子配向: 材料内部で分子が特定の方向に揃って並ぶ現象のこと。LCP特有の高強度や寸法安定性につながっている。

液晶ポリマーは、精密かつ高耐熱な部品を短納期で製作できる高性能樹脂です。特に試作では、射出成形による薄肉・微細部品の製作が可能で、量産を見据えた実機検証に有効です。

電子部品や精密機器分野において、信頼性の高い試作材料として広く活用されています。他のスーパーエンプラと比較して、微細・薄肉成形での優位性が高く、電子機器の小型化・高密度化に対応する部品試作では、LCPが最適な選択肢となります。