UVインクジェットプリンタの活用~5つの魅力~
私達は、試作段階の印刷技術として
シルク印刷
インクジェット印刷
の2種類の工法を自社で取り扱っています。
シルク印刷については過去に詳しくご紹介いたしましたので、今回はインクジェット印刷の5つの特徴について解説いたします。
シルク印刷についてはこちらのページをご参照ください。→シルク印刷
また、シルク印刷・インクジェット印刷以外の工法については、協力会社を通じて対応可能です。お気軽にご相談ください。→無料相談
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フラットベッドUVインクジェットプリンタとは
UVインクジェットプリンタは、特定のインクを紫外線で硬化させる特性を活用し、多様な素材へ直接印刷することが可能なプリンタです。
一般的なインクジェットプリンタの場合、鮮やかな色を印刷するには専用の用紙が必要になることはご存じかと思います。この紙は、インク受容層という特殊なコーティング素材が塗布されており、インクが飛び散った後にそのインクを吸収し、染色材を定着させます。
一方、UVインクジェットプリンターは、特殊なインク受容層がない状態でも、クリアで鮮やかな印刷を実現することが可能です。
UVインクジェットプリンターは、紫外線を使用してUVインクを素早く乾燥させます。これにより、立体的なオブジェクトにもインクを塗布し、印刷を行うことが可能となります。
フラットベッドタイプのプリンターは、印刷物をベッド上に直接固定して印刷を行います。このため、ロール状にできない物体、すなわち厚みや硬さがある物体にも印刷が可能です。
日常生活でよく見かけるアクリル製のキーホルダーやスタンドなども、このプリンターを使用して作成することが可能です。
UVインクジェット印刷の5つの魅力
1.写真のように豊かな色彩表現
UVインクジェット印刷は、データを直接プリンターに送り、特別な版を作ることなく商品に直接印刷する方法です。これにより、シルク印刷やパッド印刷では表現が難しい鮮やかな色彩の写真や滑らかなグラデーションを含むフルカラーデザインを美しく描き出すことが可能となります。
また、細かな文字や繊細なデザインも表現できるため、訴求力が高く、個性的な表面処理が可能です。
UVインクジェット印刷は、デザインの自由度と表現力が高いという特徴を兼ね揃えています。
2.インク硬化技術を活用した多層印刷
UVインクジェット印刷のUVインクは、紫外線を照射するとすぐに硬化し、印刷対象の素材にしっかりと付着します。
この特性を活かせば、複数のインクを重ねて印刷することが可能です。
一方、インクジェット印刷のインクは透明感を持ち、素材の色や背景色の影響を大きく受けやすいという特性があります。
そのため、より鮮やかな色を表現したい場合、白引き(白打ち)という印刷手法を一般的に使用します。
これは、彩色部分と同じ形状を白インクで印刷し、その上に色をプリントするものです。
濃い色の生地や模様がある生地に、印刷結果が干渉されにくくなります。
透明な生地の場合にも、色彩を鮮明にする効果があります。
お手持ちのアクリル製のキーホルダーやスタンドも裏側からみると白打ちされているのではないでしょうか。
下図は、透明アクリルに各インク原色を白引きあり・なしで印刷したものを白い背景に置いた写真です。色の出方がかなり違うことがわかります。
また、黒い印刷で背後の照明を隠蔽したいと考えた場合、照明との距離や求める風合いに応じて、印刷する回数を調整することが可能です。
下図は、最下部が一層のみの印刷。上部にいくほど層を重ねた印刷です。
加えて、多層印刷技術を用いることで、印刷されたインクの層が厚くなります。この厚みを利用して、エンボス印刷による凹凸感やシボ調の印刷なども可能になります。
3.様々な素材への印刷が可能
UVインクジェット印刷はインク受容層が不要であるため、さまざまな素材に対応できます。
樹脂だけでなく、木材、布、革、金属、ガラスなど、ほとんどの素材に印刷することが可能です。
4.コストの削減
UVインクジェット印刷は版の制作が不要なため、デジタルデータを提出すればたとえ1枚だけでも印刷することが可能です。試作物の作成やオリジナル製品の製造など気軽に取り組めます。
また、UVインクは溶剤系のインクとは異なり、印刷後の乾燥時間が必要ありません。そのため時間の節約や納期の短縮が可能となります。
さらに、看板やパネルを作る場合には、素材に直接印刷できるので紙に印刷してからラミネート加工をしてパネルの素材に貼り付けるという手間が省けます。
コストを抑えつつ、耐久性も維持することが可能となります。
5.大きなサイズへの対応
当社のインクジェットプリンタは、サイズが610x420mm、高さ150mmまでの印刷物に対応できます。展示会用パネル等にご活用いただけます。
UVインクジェット印刷が苦手なこと
凹凸や高低差のある印刷面
プリント面に凹凸が存在すると、インクの塗布が均等に行えず、美しい仕上がりを損ねます。
プリンタの構造から考えても、湾曲した面や高低差の大きい製品への印刷は困難で、色ムラが発生しやすいという問題もあります。そのため、UVインクジェット印刷では平面への印刷が基本となります。
対応できない素材もあります
UVインクジェット印刷は多種多様な素材に対応できますが、素材の種類や表面加工により、インクが固定できず剥がれる可能性があります。したがって、未経験の印刷対象物については、お客様から素材をご提供いただき、事前にテストを行うことが必要です。
細かすぎるデザインは再現困難です
インクジェット印刷においては、印刷する対象(線や図案、文字など)が極めて小さい場合、データ通りに描写することが難しくなることがあります。
光沢感を出すことや特色指定ができません
UVインクジェット印刷では、光沢を出すことが難しい場合があるため、鮮やかな色味と高い光沢が必要な場合は、シルク印刷などの他の方法を検討することをお勧めします。
またCMYKで表現された色を出力するため、特色指定(DIC、PANTONE色)は近似色での対応となりますのでご了承ください。
しかし塗装や真空蒸着の技術と組み合わせることにより、異なった風合いを出せる場合があります。可能性は色々ありますので、ぜひご相談ください。
下図は透明アクリル板にインクジェット印刷したものに裏側から真空蒸着した作品です。
真空蒸着なしの場合と並べて比較できるよう配置してみました。
理想の試作品製作の工程にインクジェット印刷という選択肢を!!
いかがでしょうか。 私達の持つプリンタは、1,800×1,800dpiの高解像度プリントモードを用いて鮮やかな高画質印刷を実現します。これにより、試作品の価値向上に必要なきめ細かい印刷をご提供できます。また、ギフトやノベルティアイテム、オリジナルのカードやケース、銘板などにも対応可能です。
さらに、UVインクジェット印刷技術は、有機溶剤の使用なしに乾燥を実現できるため、人体や環境に有害な挥発性有機化合物を発生させません。安全かつ安心して利用いただける、人間と環境に優しい印刷技術提供が可能となっています。
求める印刷が、インクジェット印刷に適しているかどうか不安に感じる方も、安心してください。当社の専門スタッフがサポートいたします。無料でのご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。