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図面や3Dデータがなくても試作できる?

アイデア段階では、「図面や3Dデータが用意できていない」ケースは珍しくありません。
「構想はあるけれど、CADデータはまだ、スケッチしかない!」という状態で問い合わせをためらっている設計・開発担当の方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、図面や3Dデータがなくても試作を進めることは可能です。

ただし、「何もなくてよい」ということではなく、図面の代わりになる情報や手段を活用することが前提になります。

この記事では、
・どんな情報を準備しておくと話が進みやすいか
・どこで確認を挟むべきか
を整理します。

試作の相談前の参考にしてみてください。

アイデア段階で試作を検討しているイメージイラスト

図面や3Dデータがなくても試作が可能な理由

図面や3Dデータがない場合でも、その代わりになる情報や手段を活用することで試作を進めることができます。

大きく分けると、

  1. スケッチや現物をもとに3Dデータを用意するアプローチ
  2. ヒアリングを通じて形を決めていくアプローチ

があります。


1.スケッチや現物をもとに3Dデータを製作できる

モデリングスケッチをもとに3DCADデータを製作した事例

イラストから3DCADデータを作成した事例

参考になる現物サンプル・類似製品・スケッチがあれば、製作会社がそれをもとに3Dモデルを作成することができます。

図面や3Dデータがない場合でも、こうした素材を共有することで進められるケースは多くあります。

なお、「現物はあるがデータがない」という場合は、3Dスキャンを活用してデータを起こす方法もあります。

現物と同じ形状を再現した事例(リバースエンジニアリング)はこちらからご覧ください。
事例紹介:「射撃競技 中重様 グリップ複製リバースエンジニアリング事例」


2.ヒアリングから形を決めていくことができる

図面や3Dデータがない場合、製作会社との事前ヒアリングがとくに重要になります。

  • 用途

  • サイズ感

  • 仕上がりイメージ

など、言葉やスケッチで伝えられる情報をもとに、形状や工法の提案を行うことができます。

設計部門を持つ製作会社であれば、筐体設計LEDで光らせたいといったご要望も、ヒアリングの中で一緒に検討することができます。
こういう機能を持たせたい」という段階から相談できるのも、そういった製作会社を選ぶメリットの一つです。

「作ってほしい」という依頼よりも、「こういう目的で使いたい・こういうイメージに近い」という情報を共有するほうが、提案の精度が上がりやすくなります。


必要になる情報

製作会社が形を決めていくためには、一定の情報が必要です。事前に整理しておくと、やり取りがスムーズになります。

用途・目的

「何のために作るか」は、形状や仕上げのすべてに影響します。

たとえば、プレゼン用の展示モデルなのか、機構の動作確認や強度・嵌合の検証なのかによって、適した工法が変わります。

用途が曖昧なまま進めると、できあがったものが目的に合っていないという状況になりやすいため、「何をしたいか・何を確かめたいか」を最初に伝えておくことをおすすめします。

サイズ感・形状のイメージ

おおよそのサイズ感は、早い段階で共有しておきましょう。
正確な寸法が決まっていないときでも、「手のひらサイズ」「A4用紙と同程度」といった概算なら伝えやすくなります。

サイズ感に加えて、各方向からの見え方や内部構造のイメージがあると、精度が上がりやすくなります。

スケッチや参考画像でも構いません。参考になる現物や類似製品がある場合は、写真や実物を共有するのも有効な手段です。

注意点

図面や3Dデータなしで進める場合に特有のリスクもあります。あらかじめ把握しておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。


認識ズレ防止


言葉やスケッチだけでやり取りをする場合、製作会社と依頼者の間でイメージのズレが生じることがあります。
「丸みのある形状」「シャープな印象」といった表現は、受け取り方に個人差があるためです。

こうした認識ズレを防ぐためには、参考画像・類似製品・簡単なスケッチなど、視覚的な情報を補足として共有することが有効です。
言葉だけでは伝わりにくい部分を、できる限り具体的な素材で補うようにしておくと安心です。


途中確認


図面や3Dデータなしで進める場合は、製作途中での確認を挟むことをおすすめします。

試作の工程で途中確認を行うイメージイラスト

たとえば、

  • 3Dモデルが完成した段階で形状を確認してから加工に入る

  • 塗装前に色サンプルを確認する

といったステップを設けることで、最終的な仕上がりとのズレを最小限に抑えやすくなります。

「完成してから気づく」よりも、「工程の節目で確認する」ほうが、修正コストも時間も大幅に削減できます。
依頼の段階で「途中確認を入れたい」と伝えておくとよいでしょう。


精度が必要な箇所は事前に伝える


図面がない場合、公差(寸法精度の許容範囲)を明示することが難しくなります。
嵌合や組み付けが必要な部品がある場合は、ヒアリングの段階でその旨を伝えておくと安心です。

実際に嵌合する相手部品を渡すなど、精度のイメージを共有できる素材があると、より伝わりやすくなります。

まとめ|情報整理が成功の鍵

図面や3Dデータがなくても、試作を進めることは可能です。

図面の代わりになる情報をできる限り整理して共有することが、スムーズな進行につながります。また、製作会社とのヒアリングを丁寧に行い、工程の節目で確認を挟む進め方をとることで、「思っていたのと違う」というリスクを減らすことができます。

弊社には設計部門があるため、筐体の形状をどうするか、LEDで光らせたいがどう実現するかといった、設計として完全に固まっていない段階からご相談いただくことが可能です。(設計・モデリングの資料は➡こちら

「まだ図面や3Dデータが用意できていないが、相談してみたい」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。