導電POM(どうでんポム)

導電POMとは?

導電POMとは、ポリアセタール(POM)に導電性フィラーを添加して、静電気対策や電気特性を付与したエンジニアリングプラスチックです。通常のPOMの強度・摺動性・耐摩耗性を活かしつつ、静電気防止や導電性を求められる部品に使用されます。

導電POM製品のイメージ図

(画像はイメージ図です)

どんなときに使う?

試作では、こんなシーンで導電POMが使われます。

  • 静電気対策が必要な部品を試作したいとき
  • 電子機器のハウジングや部品に帯電防止性を持たせたいとき
  • 金属代替として軽量化と導電性を両立したいとき
  • 摩擦や摺動部品で静電気によるトラブルを防ぎたいとき

主な特徴

導電性/帯電防止性 カーボンやカーボンファイバーを充填して静電気を逃がします。ESD対策に有効です。

機械的強度 通常のPOMに近い強度と剛性を維持します。構造部品としての性能を保持しています。

摺動性・耐摩耗性 ギアやスライダー部品に適します。通常POMの優れた摺動特性を継承しています。

寸法安定性 吸水性が低く、精密部品に適用可能です。湿度環境での寸法変化が少ない特性があります。

よく使われる加工方法

切削加工 導電POM丸棒や板材を削り出します。少量試作に適しており、短納期で対応可能です。

射出成形 金型による複雑形状の量産試作を行います。量産と同じ条件での検証が可能です。

押出成形 ロッド・シート・プレートを製造します。連続的な形状の材料製作に効率的です。

よくある用途

  • 電子機器筐体:静電気対策が必要なハウジング
  • 半導体製造装置部品:静電気放電(ESD)対策
  • 摺動部品(ギア、ブッシュ):静電気を抑えながら摩耗に強い部品
  • 自動車部品:電装部品のケースや機構部品

関連用語

POM(ポリアセタール): ベースとなるエンジニアリングプラスチック。通常POMに導電性フィラーを添加したものが導電POM
導電樹脂: POM以外でもカーボン充填で導電性を付与した材料群の総称
ESD対策: 静電気放電対策。導電POMの主要な活用目的

試作製造での特徴

導電POMは、通常のPOMの特性を維持しながら、静電気対策を追加できる高機能材料です。試作段階では切削で少量部品を短納期で製作でき、量産では射出成形による複雑部品にも対応可能です。

特に、電子機器や半導体関連試作で多用され、機能評価や外観確認に適しています。通常POMと比較して、静電気トラブルを回避しながら同等の機械的特性を得られる点が大きなメリットです。

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