PPS（ポリフェニレンサルファイド）とは、スーパーエンジニアリングプラスチックの一種で、高い耐熱性・耐薬品性・寸法安定性を持つ結晶性樹脂です。耐摩耗性や電気特性にも優れ、電子部品や自動車部品、産業機器の試作から量産に広く使用されています。

（画像はイメージ図です）

試作では、こんなシーンでPPSが使われます。

• 200℃を超える高温環境で使用する部品を試作したいとき
• 耐薬品性を持つ樹脂部品を評価したいとき
• 寸法精度が必要な精密部品を作りたいとき
• 金属代替として軽量化を検討したいとき

高耐熱性 連続使用温度200〜240℃で、極めて高い耐熱性を持ちます。高温環境での使用に最適です。

耐薬品性 酸・アルカリ・有機溶剤に強く、化学的に非常に安定した樹脂です。

寸法安定性 吸水率が低く、寸法変化が少ない特性があります。精密部品の製作に適しています。

耐摩耗性 摺動部品にも使用可能で、高温環境での耐久性に優れています。

難燃性 自己消火性を有し、安全性が高い材料です。

切削加工 小ロットの試作や精密部品に利用されます。短納期での対応が可能です。

射出成形 微細で複雑な部品を大量生産可能です。量産を見据えた試作に適しています。

押出成形 チューブやシート形状に加工します。連続的な形状の材料製作に使用されます。

• 自動車部品：燃料系部品、電装部品、センサーケース
• 電気・電子部品：コネクタ、ソケット、絶縁部品
• 産業機器：ポンプ部品、バルブ、摺動部品
• 家電製品：高耐熱が求められる内部部品

PEEK：PPSと同じスーパーエンプラの代表格。機械的強度ではPEEKが優位
LCP（液晶ポリマー）: 精密電子部品向けのスーパーエンプラで流動性に優れる
スーパーエンプラ: PEEK、PPS、LCPなどの高性能樹脂群。エンプラを超える特性を持つ

PPSは、高温・高薬品環境においても安定した性能を発揮する樹脂です。試作段階では切削で少量部品を短納期で製作でき、試作金型で数量の多い試作が可能です。量産では射出成形で安定した品質を確保できます。

電子部品・自動車部品の分野で特に多用され、金属代替材としての可能性を持つ素材です。PEEKと比較してコストが低いため、高耐熱性が必要だがコストも抑えたい用途では、PPSが最適な選択肢となります。

汎用樹脂試作の解説書

ワーキングモデルの基礎知識とエンプラ・スーパーエンプラの種類と特徴、メリットについてまとめました。

多品種・短納期、大型部品、複雑形状など幅広く対応しています。金属・樹脂など幅広くご相談ください。

設計検証や少量の部品成形に用いる金型です。短納期・低コストに対応できますが、精度や耐久性は限定されます。

ブログ

PPSに関連するブログ記事のご紹介です。

スーパーエンプラの一種であるPPSの特徴や長所、短所、そして具体的な用途について詳しく解説します。これからPPSを使用する方や素材選びに悩んでいる方にとって参考になる情報を提供します。切削加工の注意点や実際の活用事例も紹介します。