簡易金型とは、量産金型に比べて構造を簡素化し、短納期・低コストで製作される金型です。数百〜数千ショット程度の成形に対応し、小ロット生産や市場テストに利用されます。
試作金型の延長線上に位置し、量産ほどの耐久性はありませんが、必要な精度を確保しつつスピーディに成形できるのが特徴です。
(画像はイメージ図です)
こんな場面で、簡易金型が利用されます。
アルミ金型
加工が容易で短納期に対応できる金型です。熱伝導率が良く、成形サイクルの短縮も期待できます。
簡易鋼製金型
ある程度の繰り返し成形に対応可能な金型です。アルミより耐久性があり、より多くのショット数に対応できます。
モジュール型構造
必要最低限の機構だけ備えた設計でコスト削減を図る方法です。複雑な機構を省略することで製作期間とコストを抑制できます。
汎用樹脂
ABS、PP、PE、PSなど、最も広く使用される基本的な樹脂材料です。小ロット生産での材料検証に適しています。
エンプラ(エンジニアリングプラスチック)
PA、PC、PBTなど、機械的特性に優れた樹脂材料です。機能部品の小ロット生産に使用されます。
スーパーエンプラ
PEEK、PPSなど、特に高い耐熱性や耐薬品性を持つ高性能樹脂です。医療機器や自動車部品など、特殊用途の試作に利用されます。
透明樹脂
アクリル、PCなど、透明性が求められる用途の材料です。外観確認や光学特性の評価に適しています。
射出成形: 加熱して溶かした樹脂を金型に高圧で射出し、冷却・固化させて製品形状を得る成形方法。量産金型でも簡易金型でも用いられる。
量産金型: 硬鋼を使い、数十万ショット以上の耐久性を持つ金型。大量生産に最適であるが、製作期間とコストがかかる。
試作金型: 設計検証や少量の部品成形に用いる金型。短納期・低コストで製作できるが、簡易金型より精度は限定される。
簡易金型は、試作金型より多くのショット数に対応でき、小ロット生産や短期需要に活用されます。一方で、量産金型ほどの耐久性や精度はなく、長期的な大量生産には不向きです。
そのため、試作から量産への橋渡しとして利用されるほか、市場テストや限定製品の生産など、実際の試作製造の場で柔軟に用いられます。特に開発の中間段階において、本格的な量産投資前のリスク軽減手段として重要な役割を果たします。
コストと性能のバランスに優れ、製品の市場性確認や改良検討に必要な数量を効率的に生産できるため、製造における重要な選択肢の一つとなっています。
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