試作金型は、試作段階で設計確認や樹脂特性の評価を行うために使う金型です。量産金型よりも構造を簡素化しており、短納期・低コストで製作できますが、精度や耐久性に制約があります。
量産と同じ工法:射出成形で製品を試作できるため、設計や成形条件の検証に広く活用されています。
こんな場面で、試作金型による製品づくりが行われます。
アルミ金型
加工が容易で短納期に対応できる金型です。アルミニウム合金を使用することで、製作期間を大幅に短縮できます。
3Dプリント金型
短期間で製作でき、低コスト試作に有効な金型です。複雑形状の検証や極少量の成形に適しています。
汎用樹脂
ABS、PPなど、最も広く使用される基本的な樹脂材料です。試作段階での材料検証に適しています。
エンプラ(エンジニアリングプラスチック)
PA、PC、POM、PBTなど、機械的特性に優れた樹脂材料です。機能試作での性能確認に使用されます。
スーパーエンプラ
PEEK、PPSなど、特に高い耐熱性や耐薬品性を持つ樹脂材料です。医療や自動車の高性能部品に使われます。
透明樹脂
アクリル、PCなど、透明性が求められる用途の材料です。外観確認や光学特性の評価に適しています。
射出成形: 加熱して溶かした樹脂を金型に高圧で射出し、冷却・固化させて製品形状を得る成形方法。量産金型でも試作金型でも用いられる。
量産金型: 硬鋼を使い、数十万ショット以上の耐久性を持つ金型。大量生産に最適であるが、製作期間とコストがかかる。
簡易金型: 小ロットや短期需要に対応するための簡素化された金型。試作の延長線上にあり、コストとスピード対応は、量産と試作の中間に位置する。
真空注型: 型に樹脂を真空注入し複数の試作品を製作する工法で、少量試作時の代替手法。
二次加工: 成形後に外観を整えるための工程。塗装、印刷、メッキなどが含まれる。
試作金型は、量産移行前の検証やプレゼン用途に不可欠な工程です。短納期・低コストで実際の樹脂成形品を得られるため、設計段階での品質評価や顧客提案、設計改善に大きく役立ちます。
ただし、量産金型や簡易金型に比べると制限もあります。
耐久性の制限 アルミや軟鋼を用いるため、量産金型のように数十万ショットには耐えられず、100〜1000ショットが限界となることが多くあります。
形状・機能の制限 スライド機構や複雑な冷却回路などは簡略化されることが多く、量産金型ほどの寸法精度や再現性は期待できません。
量産性の制限 小ロットには向きますが、長期的な安定生産には不向きです。
そのため、試作金型は「量産前の試作検証用」として割り切って使われ、実際の量産段階では簡易金型や量産金型へ移行していきます。この特性を理解して適切に活用することで、効率的な製品開発が実現できます。
設計検証や少量の部品成形に用いる金型です。短納期・低コストに対応できますが、精度や耐久性は限定されます。
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