真空注型とは、型に真空環境で樹脂を注入・硬化させる試作工法です。金型に比べ低コストかつ短納期で、1つの型で10〜25個程度の複数試作品を製作できるのが特徴です。
少量試作やデザイン確認に適しており、射出成形に比べてコストと納期を抑えられる工法です。
型材にはシリコーン(シリコン)が多く使われ、原型となるマスターモデルを埋め込むことで型製作を行います。製品は主にポリウレタン樹脂が使われます。
シリコン製品を作成する際にはアクリル型を使用することもあります。アクリル型は切削加工で製作します。
真空注型はこのような時に使われます。
マスターモデル製作
切削や3Dプリントで原型を作る工程です。この精度が最終製品の品質を左右するため、丁寧な製作が重要です。
シリコーン型作製
マスターを用いて柔軟なシリコーン型を作る工程です。複雑形状にも対応でき、繰り返し使用が可能です。
真空注型
樹脂を注入し、真空中で気泡を除去して硬化させる工程です。気泡のない高品質な製品が得られます。
仕上げ・塗装
外観を整え、製品に近い仕上がりにする工程です。バリ取りや表面処理により完成度を高めます。
ウレタン樹脂
ABSライク、ゴムライク、透明タイプなど多彩に対応した樹脂です。用途に応じて最適な特性の樹脂を選択できます。
エポキシ樹脂
耐熱性や高強度を求める場合に使用される樹脂です。より厳しい条件での評価に適しています。
着色材・添加剤
透明性、耐候性、弾性などを付与するための材料です。製品要求に応じてカスタマイズが可能です。
マスターモデル: 真空注型用の型を作るための原型。切削や3Dプリンターで製作される
モックアップ: デザイン確認のために真空注型で製作するケースが多い外観確認用の模型
射出成形: 量産工法。真空注型はその前段階に活用される製造方法
シリコーン型(シリコン型): 真空注型に用いられる柔軟な型。複雑形状の複製を可能にする
3Dプリンター: マスターモデル製作によく使用される工法
CNC加工: 3Dプリンター同様、マスターモデル製作によく使用される工法
真空注型は、低コストかつ短納期で少量の試作品を製作できる工法です。外観・強度・質感を本製品に近いレベルで再現できるため、デザイン検討や機能評価に有効です。特に射出成形前の検証段階において、コストを抑えながら品質の高い試作品を提供できることから、試作製造の重要な技術として活用されています。
真空注型の解説書です
試作品製作に活用される「真空注型」の概要や、アクリル型によるシリコン注型の特徴、活用メリットをまとめました。
型に樹脂を真空注入し複数試作品を製作する工法です。1つの型で、10~25個の製品を作ることができます。
CONTACT
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
お役立ち資料は
こちらから