ウレタン樹脂とは、ポリウレタン系の高分子材料で、柔軟性から高硬度まで幅広い物性を持つ樹脂です。発泡体としてクッション材や断熱材に利用されるほか、エラストマーや塗料、接着剤など多用途で使用されています。試作製造においても、柔軟なモデルやゴムライク部品を再現する際に多用されます。

（画像はイメージ図です）

試作では、こんなシーンでウレタン樹脂が使われます。

• ゴムのような柔軟な部品を試作したいとき
• 耐摩耗性を持つ部品を確認したいとき
• クッション性や弾性を評価したいとき
• 真空注型で柔軟な複製品を作りたいとき

柔軟性と弾性 ゴムライクから硬質まで調整可能で、用途に応じて硬さを選択できます。

耐摩耗性 繰り返し動作や摩擦に強く、摺動部品や機構部品に適しています。

耐油性・耐薬品性 条件に応じて特性を付与でき、使用環境に合わせた材料選択が可能です。

加工性 注型、発泡、塗布など幅広い方法に対応します。多様な形状や用途に適用できます。

真空注型 シリコン型を使って少量の柔軟部品を複製します。20〜30個程度の試作品製作に最適です。

発泡成形 断熱材やクッション材を製造します。発泡ウレタンフォームとして広く使用されます。

塗布・コーティング 表面仕上げや耐摩耗性強化に使用されます。保護膜や意匠性向上に適しています。

切削加工（硬質タイプ） ブロック材から精密部品を削り出します。硬質ウレタンは切削性が良好です。

• シール材やパッキン
• クッション材（発泡ウレタンフォーム）
• ゴムライクな機構部品
• 塗料やコーティング材

ゴム部品: ウレタンエラストマーと比較される素材。ウレタンは硬さ調整が容易
仕上げ: 注型後のバリ取りや表面処理。ウレタン部品の品質を左右する工程
ポリウレタン: ウレタン樹脂の正式名称。多様な形態で利用される

ウレタン樹脂は、柔軟性・耐摩耗性・加工自由度を兼ね備えた素材であり、試作製造において非常に扱いやすい樹脂です。真空注型で使われる代表的な材料のひとつで、硬さや透明度の調整が可能なため、ゴムライク部品から外観モデルまで幅広く対応可能です。

試作段階での機能確認や外観評価において、欠かせない樹脂といえます。特に20〜30個程度の複数試作が必要な場合、真空注型とウレタン樹脂の組み合わせが最も効率的な選択肢となります。

型に樹脂を流し込んで形をつくる真空注型は数が多め（10個～30個）の試作に適した工法です

硬質タイプのウレタン樹脂は、板材・ブロック材の削り出しが可能です。