PP（ポリプロピレン）とは、軽量で耐薬品性・耐湿性に優れた汎用熱可塑性樹脂です。成形性が高くコストも安いため、容器や日用品から自動車部品まで幅広く利用され、試作でも頻繁に使われる材料です

（画像はイメージ図です）

試作では、こんなシーンでPPが使われます。

• 軽量で安価な部品を試作したいとき
• 耐薬品性や耐湿性が求められる部品を確認したいとき
• 量産前に汎用樹脂で外観や形状を検討したいとき
• 柔軟性やヒンジ特性を活かした設計を試したいとき

軽量性 比重が0.9前後と非常に軽く、軽量化が求められる部品に最適です。

耐薬品性 酸・アルカリ・溶剤に強く、化学的に安定した樹脂です。

耐湿性 吸水率が低く、寸法変化が少ない特性があります。湿度環境での安定性に優れています。

柔軟性 繰り返し曲げても割れにくい特性（リビングヒンジ性）があります。ヒンジ部品の設計に適しています。

コスト 汎用樹脂の中でも安価で、コストを抑えた試作が可能です。

切削加工 ブロック材や板材から試作部品を削り出します。少量試作に適しています。

射出成形 量産前の試作金型で成形します。量産と同じ条件での検証が可能です。

押出成形 ロッドやシートの成形に利用されます。連続的な形状の部品製作に効率的です。

真空成形 シートを使った成形品に適用されます。容器やトレイ類の製作に効率的です。

• 食品容器・パッケージ
• 自動車部品（内装・バッテリーケースなど）
• 家電製品の筐体
• 簡易治具

ABS: PPより剛性が高い汎用樹脂。強度が必要な場合はABSを選択
PE（ポリエチレン）: PPと並ぶ軽量樹脂。柔軟性ではPEが優位
リビングヒンジ: PPの柔軟性を活かした一体型ヒンジ構造

PPは、軽量・安価で扱いやすいため、試作製造でも多用される汎用樹脂です。耐薬品性・耐湿性に優れるため、実使用環境を想定した評価が可能であり、リビングヒンジなどの設計検証にも適しています。

コストを抑えつつ量産に近い条件で確認できるため、初期検討から量産直前の評価試作まで幅広く利用されます。ABSと比較して軽量性と柔軟性に優れる一方、剛性ではABSに劣るため、用途に応じた使い分けが重要です。

汎用樹脂試作の解説書

ワーキングモデルの基礎知識と汎用樹脂の種類と特徴。汎用樹脂を使うメリットについてまとめました。

多品種・短納期、大型部品、複雑形状など幅広く対応しています。金属・樹脂など幅広くご相談ください。

設計検証や少量の部品成形に用いる金型です。短納期・低コストに対応できますが、精度や耐久性は限定されます。

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