ナイロン（PA：ポリアミド）とは、強度・耐摩耗性・耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックです。柔軟性と耐衝撃性を持ち、機械部品から繊維製品まで幅広く利用されています。特に試作製造では、機構部品や摺動部品に多用されます。

ナイロンにはPA6（ナイロン6）、PA66（ナイロン66）、MCナイロン、ナイロン12など複数の種類があり、それぞれ特性が異なります。試作段階では用途に応じて最適なグレードを選択することが重要です。

（画像はイメージ図です）

試作では、こんなシーンでナイロンが使われます。

• 耐摩耗性が必要な摺動部品を試作したいとき
• 強度や靭性を兼ね備えた樹脂部品を評価したいとき
• 自動車や産業機械の部品を軽量化したいとき
• 射出成形や切削で量産材と同じ条件を検証したいとき

高強度・耐摩耗性 ギアやベアリング部品に適用できる優れた機械的特性を持ちます。

耐薬品性 多くの油や燃料に耐性があり、自動車部品などに適しています。

柔軟性 靭性が高く衝撃に強い特性があります。繰り返し荷重に耐える部品に適しています。

吸水性 水分を吸うため寸法変化に注意が必要です。湿度環境での使用には配慮が求められます。

耐熱性 130℃前後まで安定使用可能で、幅広い温度環境に対応できます。

射出成形 量産部品の代表的工法です。複雑形状の部品製作に適しています。

切削加工 ナイロンブロックや丸棒を削って試作します。精密な寸法精度が得られます。

押出成形 ロッド・フィルム・シートなどの形状に加工します。連続的な形状の製作に効率的です。

• 機械部品：ギア、カム、ベアリング、ブッシュ
• 自動車部品：エンジン周辺や内装部品
• 電気・電子部品：コネクタや絶縁部品
• 繊維製品：衣料や工業用繊維

エンジニアリングプラスチック（エンプラ）: ナイロンを含む高機能樹脂群。汎用樹脂より機械的特性に優れる
PA6/PA66: ナイロンの代表的な種類。それぞれ特性が異なり、用途によって使い分けられる
SLS（粉末焼結積層造形）: ナイロン粉末を使った3Dプリント手法。
ポリアミド: ナイロンの化学的名称。PAと略記される

ナイロンは、摺動性・強度・耐薬品性を兼ね備えた多用途樹脂であり、試作段階でも頻繁に利用されます。切削や射出成形での加工が容易な一方、吸水による寸法変化を考慮する必要があります。

特にSLS方式の3Dプリント（ナイロン12など）は、複雑形状の試作や小ロット生産に適しており、試作製造において欠かせない素材です。PA6やPA66など、種類によって特性が異なるため、試作の目的に応じて最適なグレードを選択することで、より精度の高い検証が可能となります。

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