樹脂とは、高分子化合物を主成分とする材料の総称で、天然由来のものと合成によって作られるものがあります。試作の分野では主に、合成樹脂=プラスチック材料を指します。軽量で加工性に優れ、金属やガラスに比べて安価に製造できるため、日用品から工業製品、試作品まで幅広く利用されています。

このような目的で、樹脂を用いた試作が行われます。
汎用樹脂 ABS、PP、PE、PSなど、安価で幅広く利用される基本的な樹脂材料です。試作から量産まで最も多く使用されています。
エンジニアリングプラスチック(エンプラ) POM、PA、PC、PBTなど、強度・耐熱性を持つ高性能樹脂材料です。機能部品や精密部品の製作に適しています。
スーパーエンプラ PEEK、PPS、LCPなど、高温環境や特殊用途に適用される最高性能の樹脂材料です。厳しい条件下での使用に耐えます。
熱可塑性樹脂 加熱で軟化し再加工可能な樹脂です。射出成形や3Dプリントに広く使用され、リサイクル性にも優れています。
※エンプラやスーパーエンプラも、基本的には「熱可塑性樹脂」に分類されます。
熱硬化性樹脂 一度硬化すると再成形できない樹脂です。高い耐熱性や寸法安定性が求められる用途に使用されます。
切削加工 金属や樹脂を削って形を作る加工技術です。精密な寸法精度が得られ、多様な樹脂材料に対応できます。
射出成形 溶かした樹脂を金型に射出して製品を作る成形方法です。量産性に優れ、複雑形状の部品を効率的に製造できます。
真空注型 型に樹脂を真空注入し複数試作品を製作する工法です。20〜30個程度の小ロット試作に適しています。
3Dプリント 樹脂や金属などの材料を積層して形をつくる工法です。光造形(SLA)、粉末焼結(SLS)、熱溶解積層(FDM)など様々な方式があり、複雑形状の試作に適しています。
試作金型: 設計検証や試作品づくりのために用いられる短納期・低コストの金型
仕上げ・塗装: 樹脂部品に外観品質を付与する工程。特に3Dプリント製品では重要
加飾処理: 木目調・金属調など意匠性を高める加工
プラスチック: 合成樹脂の一般的な呼称。試作分野では樹脂と同義で使われる
樹脂は、加工性・成形性・軽量性などのバランスに優れる素材です。試作製造では、外観確認・機能検証・デザイン検討など多用途で利用され、少量から量産に至るまで柔軟に対応できます。
また、素材ごとの特性を活かすことで、透明性・耐熱性・柔軟性など、最終製品に近い条件での評価が可能です。金属に比べて加工時間やコストを抑えられる点も大きなメリットであり、試作製造において最も汎用性の高い材料として広く活用されています。

汎用樹脂試作の解説書
ワーキングモデルの基礎知識と汎用樹脂の種類と特徴。汎用樹脂を使うメリットについてまとめました。

汎用樹脂試作の解説書
ワーキングモデルの基礎知識とエンプラ・スーパーエンプラの種類と特徴、メリットについてまとめました。

樹脂試作の基礎知識
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多品種・短納期、大型部品、複雑形状など幅広く対応しています。金属・樹脂など幅広くご相談ください。
型に樹脂を真空注入し複数試作品を製作する工法です。1つの型で、10~25個の製品を作ることができます。
複雑な形状の製作や、短期間で簡易にデザイン比較をしたい場合に適する工法です。
設計検証や少量の部品成形に用いる金型です。短納期・低コストに対応できますが、精度や耐久性は限定されます。
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